八日目の蝉

八日目の蝉

『八日目の蝉』読了。
愛する男の子供を誘拐した女の逃亡劇と、後半は成人したその子供の話。
全体的にどこか物悲しく、登場人物の殆どが女性であることから、女性の方が感情移入しやすいのではないかと思う。
誘拐された赤ん坊は『薫』と名付けられ、すくすくと成長し、泣くことしかできなかった頃からやがて言葉を話すようになり、一緒に遊ぶ友達も出来る。子供なりの自我も目覚め、感情豊かに表現されているのに、後半成人した彼女はどこか遠い場所の、他人事のように事件を振り替える。
時の流れの残酷さも感じられる作品だ。