2012-01-01から1年間の記事一覧

中国でお尻を手術。

バックパッカーに限りなく近い旅行エッセイ。 旅行エッセイと言うとその土地土地の情景が思い描かれるのが普通だが、それ以上に人・人物・人間が正直に描かれている。吃音に悩む作者や自分に正直なモトコ夫人、旅先で出会う人々との距離感が近くて生きている…

毛のない生活

いわゆる闘病日記なのだが涙を誘うような文章は少なく、闘病生活から脱却するまでの事実が淡々と書かれているので、構えずに読めた。人間は本来持つべき自然に即した生き方が一番なのだな。 著者の山口ミルコさんは人生や社会人の先輩にあたる世代なので、今…

僕と日本が震えた日

今すべきことは、震災の事実を正しく知り、風化させないことだと思う。僕と日本が震えた日 (リュウコミックス)作者: 鈴木みそ出版社/メーカー: 徳間書店発売日: 2012/03/02メディア: コミック購入: 3人 クリック: 76回この商品を含むブログ (30件) を見る■ …

カイシャデイズ

仕事は楽しまなければな、と思える1冊。 いい加減だけど面倒見のいい中間管理職や、周りの言うことを聞かないデザイナーやら、ほんとにどこにでもいそうな人たちが楽しく仕事している。起きてる時間の大半が仕事に費やしているのだから、仕事はやっぱり楽し…

南の子供がいくところ

架空の南の島で起きる不可思議な物語の数々。南の島独特のからっとした風や、ねっとりとした、呪術が施されたような夜が肌にまとわりつくような世界。全編を通して主役のすぐ横に存在する自称120歳のユナという女性が物語の背骨を担っている。歴史はさか…

約束の森

警視庁公安部を退職した男が与えられた仕事は、素性のわからない赤の他人との疑似親子を演じることだった。心を閉ざした男はそこで、人間に虐げられ生きる気力を無くした一匹の犬と出会う。 様々な組織の思惑が交錯する中、疑似親子と犬はゆっくりと過去を清…

香菜里屋を知っていますか

北森鴻はいくつものシリーズものを手掛けていたが、それぞれのシリーズの主人公も顔を出す、三軒茶屋のビアバー『香菜里屋』。そこのマスター・工藤は客の話を静かに聞き、様々な謎を解き明かす。 工藤の人柄と、彼の手掛けるひと工夫施された料理の数々は訪…

PK

伊坂作品の王道パターンである、ある小市民が起こしたアクションによって未来はどうなった、というバタフライエフェクト的なお話。3つの短編は独立しているものの、どこかしら繋がっているようにも読める。小さな特殊能力を持った人物がその能力の使い道につ…