南の子供がいくところ

架空の南の島で起きる不可思議な物語の数々。南の島独特のからっとした風や、ねっとりとした、呪術が施されたような夜が肌にまとわりつくような世界。全編を通して主役のすぐ横に存在する自称120歳のユナという女性が物語の背骨を担っている。歴史はさかのぼり、また、現代に戻り、いつしか読者は不可思議な世界がさも実在するかのような錯覚に陥る。 おばあさんに昔語りを聞いたようなそんな作品。読者側にいる限りそれはとても魅力的な世界。

南の子供が夜いくところ

南の子供が夜いくところ