悪人

悪人

人間は何を以って人のことを善人とか悪人とか決めるのだろう。
物語はある寒い雪の日、九州北部の三瀬峠で福岡市内に暮らす保険外交員の女性が長崎市郊外に住む土木作業員の手によって絞殺され、その死体を遺棄した容疑で長崎県警に逮捕されるところから始まる。
その土木作業員は何故保険外交員の殺害に至ったのか。峠で起こった事実とは。読者は真実に触れたとき悲しい事実に直面する。彼は何を思ったか、彼女が見た真実とは。
法で裁けない悪人は世の中に確実に居て、この作品を読むと善悪の判断基準が危うくなる。