[読書]寺町・桜の季節にもう一度

喋々喃々

喋々喃々

食堂かたつむり』で鮮烈デビューした小川糸さんの最新刊。
東京の寺町・谷中でアンティークの着物の店を営んでいる栞の恋物語を1年に渡り描かれた、水彩画を見るような色鮮やかな作品。
谷中に久しぶりに行きたくなりました。
舞台は谷中・根津・千駄木を総称して谷根千などと呼ばれる散歩エリアです。読みながら散歩している気分になりました。
栞は普段着で着物を着ていますが、谷中エリアは着物がよく似合います。大人の恋愛ドラマでありながら清々しさを感じさせるのは着物の持つ「和」の雰囲気も一役買っていると思います。
穏やかな春の陽だまりのような作品です。