嬉しくないプレゼント

世間一般にはあまり知られていない出版業界の委託制度。
委託制度について少し知っている人でも、本が返品できるというメリットは知っていても出版社と書店のデメリットの部分はほとんど知られていません。
デフレスパイラルに陥っている業界三者の利益改善のために、中堅出版社が責任販売制を導入する記事を読みました。当社でも一部の商品に限り責任販売制を導入しています。今は部分的に商品を絞って行っていますが、おそらく今後はもっと一般化してくると思います。
この責任販売制は利益面でのメリットは大きいですが、現場での売り切る努力や発注する精度を上げていかなければならないという、現場力が試されてきます。
少ない利益の中から少ない人件費を割り、効率化を図るためにアルバイトさん中心で売場を廻すことが現状、それでもアルバイトさんたちをより戦力化していかなければ生き残れないということでしょう。
まだまだ当店は個々の戦力も高くなく、仕組みもうまく機能していません。誇れるのは現場のやる気のみです。
幸い、このやる気があるという部分に大いに助けられているので、なんとか戦える組織にできるとは思います。
ただ、まだ商品知識や業界のルールなどをきちんと知っているスタッフが少ないので、毎日のように逆送品が届きます。買い切りの商品かどうかが分からず、または直取引の商品か分からず、注文したり返本したりが多いからです。永岡書店やディスカバーが逆送されてくるのはざらです。
5月6月とこの嬉しくないプレゼントの処理が出来ず、奴らがバックヤードを占領していたので、今月はなんとか少しずつ返していきたいと思ってます。
しかし、私も逆送処理をしたのは実は2年ぶりで、返品依頼の電話にちょっと緊張してしまいました。
まだバックヤードの棚3列分くらいびっしり奴らが眠ってます。奴らを全部排除できたら誰か褒めてください。