金曜日なのにお客さんが少なかったのは、そうだ、13日の金曜日だったからに違いない。そういうことにしておこう。

小太郎の左腕

小太郎の左腕

戦国の世、鉄砲文化が伝来してからまだ合戦の主力となる前の話。山間の村で猟師の祖父と暮らす小太郎は、11歳という年齢にもかかわらず、その体つきは大人顔負けで立派であったが、根っからの優しい性格から争いごとを好まず、村のガキ大将にからかわれながらも平和に過ごしていた。
時を同じくして戸沢家、児玉家による勢力争いのさなか、戸沢家方の侍大将半右衛門は負け戦のさなか退路を断たれ森の中をさ迷っていた。両者の出合いは必然だった。。。
のぼうの城もそうでしたが、和田さんの時代小説は固いこと言わず徹底的にエンタテイメントに徹しているので面白い!とくに登場人物の描き方が躍動感に溢れていていいですね。今作品は特に『漢』(おとこ)と呼べる人物が多数登場し、話に彩りを添えてくれます。ラストがもう少し盛り上がるかなと思いましたが、話し全体がよくまとまって読みやすかったです。