出版業界の危機と社会構造

出版業界の危機と社会構造

出版業界は非常に厳しい状況なのは分かる。しかしなんだろう、このモヤッとした読後感。というかイラッとする読後感?『私何でも知ってます。ほら言わんこっちゃない。私前から正しいこと言ってるんですから』というような正義の押し付けのようなコメントが多くて、インタビュー形式なのですが受け手の方も『そうでございます、小田さんはいつも正しいのでございます』と、まるでジャイアンスネ夫みたいなやりとりにうんざりしました。
勿論的を得ているなあと感じることも多かったですし、今の業界が『読者』ではなく『消費者』を増やしてしまっているというくだりは非常に共感がもてました。書店は地域の方の知的生活を潤したり、価値観を高めたりすることも大事な仕事だと思いますから、ベストセラーばかりに注目が集まって、そうでない作品は端に追いやられているような現状(当店もその点では例外ではありませんが)に警鐘を促すことには賛成です。
でも、全体的に漂う決め付け感というか胡散臭さはぬぐえず。後輩とかにはあまり薦められないなあと思います。ただ、学んだことは佐野真一さんや青田恵一さんの本だけでなく多方面からひとつのテーマ(この場合は出版業界について)に沿って考察することは大事だと思いました。
少々問題が飛躍しすぎていて、私の知っている実情と違うところもところどころあったのですが。。。