忍びの国

忍びの国

のぼうの城』が各地で大絶賛の作者、会心の第2作目。
今度は忍者王国伊賀上野と、織田信長の次男坊織田信雄率いる伊勢軍との戦い。
並ぶものの無い伊賀随一の忍びである無門と、類まれなる力を誇る日置大善を中心に、様々な武将や忍びが持てる力をふんだんに使って大活躍します。忍びと言っても出てくる人物全てが体術に富んでいるわけではありません。主に下人と呼ばれる実働部隊と、地侍と呼ばれる主格の忍びでは使う技も違います。
下人である無門の持ち味はそのスピードで、いざ戦いの場となると飄々とした普段の姿とは一変して風の如く戦場を駆け回ります。後に石川の五右衛門と呼ばれるようになる若く血の気の多い文吾や、老いても忍びの誇りを持ち続ける木猿などもそれぞれに見せ場があります。謀略の限りを尽くし人心を操る術に長けた地侍どもや、無骨な伊勢の武将もそれぞれが魅力的に描かれていて、一気に引き込まれてしまいました。
ちなみに私にとって伊賀忍者と言えばハットリくんです。小さい頃、忍者屋敷に憧れてました。ニンニン。