2日目

朝5時に朝食をとり、頂上を目指す。
ここから先は全くペースが掴めず、どこで休みを取ればいいのか分からず余計な疲労が溜まります。
でも2日目も登山中は晴天で頂上まで原色の嵐で疲れが吹っ飛びます。空はどこまでも青く、雲は書き割りのように白く、緑は青々としていて、雪解け水は何処までも澄んでいます。

雪渓も何度か越えました。
低い木々のゾーンを抜けると一気に頂上が視界に入ってきました。上高地から登り始めてまあ、全く頂上が見えてこないんです。それが急に視界が開けて頂上と槍ヶ岳山荘が見えてきます。これはもう感動ものです。
頂上は見えますがなかなかそこまで行けません。足元は岩と砂利。一歩一歩足首に負担が掛かります。時間が掛ってもかまわないのでちょっとずつ登ります。登山の基本は歩幅を小さく歩くことです。いつしか掛け声が「ゆっくり、ゆっくり」になっていました。
ようやく、槍ヶ岳山荘に到着してはもう動けませんでした。リュックを置いてしばらくベンチに突っ伏して呼吸を整えます。自分の脈が何もしていないのにはっきり聞こえます。軽い高山病にかかりましたが息を整え高さに慣れると普通に動けるようになりました。
頂上は山荘からまた軽装になって岩肌を登った先にあります。断崖絶壁を鉄の梯子や、チェーンを伝い、ロッククライミングの要領で3点で体を支えて登ります。しかし私が登った時は視界が悪く、撮った写真もどこの頂上だか分かりません。残念。晴れていれば360度視界が見渡せたハズでした。

標高3,180mです。驚くことに小学4年生の女の子も頂上まで登ってました。すごい!
夕方にはまた天気も回復し、雲の切れ間に落ちる夕日を眺めてから消灯。

写真の影は僕ではありません。でも絵になるでしょう。雲の上にいるんです。