[読書]ちょっと前に読んだ本

深淵のガランス (文春文庫)

深淵のガランス (文春文庫)

銀座の花師・佐月恭壱のもうひとつの顔は絵画修復師。絵画の修復をきっかけに、依頼者たちの隠された意図を解き明かし、絵画に隠されたエピソードを探り当てる。
北森作品の主人公はどこか張りつめた緊張感があり、今作の主人公佐月恭壱もどこか陰のある職人的な人物です。脇を占める人物も個性的で恭壱を補佐する老人や、バーを営む中国系の女主人。香港を舞台にした探偵事務所の物語のような、どことなく異国の雰囲気を漂わせる作品です。
ちなみに冬狐堂シリーズの宇佐美陶子が名前を伏せて出演しています。

夜市 (角川ホラー文庫)

夜市 (角川ホラー文庫)

第12回日本ホラー小説大賞受賞作品。
ようやくこの1冊で刊行されている恒川作品に追いつきました。この作品は傑作です。
ある条件のそろった夜にだけ繰り広げられる異界の者たちが集まる夜市。祐司は過去に1度だけ夜市に来たことがあり、その時犯した過ちを償うために夜市を探していた。
物語は夜市の住人たちとのやり取りを中心に進みますが、後半あるきっかけでこれまで読んでいた世界ががらっと反転します。
ホラーでありながら感動を呼ぶ、なかなか稀有な1冊です。お薦め

弁護側の証人 (集英社文庫)

弁護側の証人 (集英社文庫)

昭和30年代に書かれた本の復刻文庫化。北上次郎さんが本の雑誌社の杉江さんを罵倒しながら絶賛していたエピソードを知り、即購入。帯にはミステリー小説界のそうそうたる作家陣が絶賛しています。
最後の最後で大どんでん返しがあるのですが、私は正直あまり驚けず。私がこの傑作を面白いと感じるにはもう少し修業が必要なのかもしれません。

たたかうお店のバイブル13冊―売場の“思想”が客を集める

たたかうお店のバイブル13冊―売場の“思想”が客を集める

青田恵一氏が小売業界で働く人向けにセレクトした書評集。軽く読める本から専門書まで幅広く選書されています。

部下を定時に帰す仕事術 ~「最短距離」で「成果」を出すリーダーの知恵~

部下を定時に帰す仕事術 ~「最短距離」で「成果」を出すリーダーの知恵~

最近読んだビジネス書の中では一番のお薦めです。現場で私が実際に行っているようなことや気をつけていることも載っているし、新しい発見も多く、とても為になりました。
私は主にビジネス書を読むとき、気になった個所のページには付箋を貼って後で読み返しやすいようにしているのですが、付箋だらけになってしまいました。
時間短縮のためのノウハウ本なんですが、それだけにとどまらず、ビジネスマンとして持つべき心構えのようなものも記されています。
タイトルは部下を持った人向けですが、今年入社した新入社員でも知って得する情報がたくさん載ってます。かくいう私も今年自店に配属された新入社員のSくんとKくんに「事務所に置いておくので読んでみて〜」と薦めておきました。